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妻の憂鬱
うつ病体験記 (6) 「時間」

(前回の続き)
 
 家族との生活、大切にしていますか?
 
 会話、食事、レジャー、相談・・・・・
 
 
家族と共有する時間、大切にしていますか。
 
それぞれに、人生は一度きりなのですから。

 
 
 
僕たち夫婦には、子供がいません。
 
可愛がっていた猫も、3年前に亡くなりました。
 
妻は腰痛で仕事を辞めていましたから、
 
一日の大半を、たった一人で過ごしていました。
 
 
 
僕は症状に伴い、仕事の能率が落ちました。
 
しかし無謀にも、残業と休日出勤を選びました。
 
それで心身が疲れ、また症状が悪化する。
 
更に能率が落ち、帰りが遅くなる。
 
休養時間がなくなり、更に悪化する。
 
自分で悪循環にはまっていきました。
 
 
 
症状だったのか、限界だったのか・・・
 
ただただ、心身が疲れていく。
 
僕は明るい会話さえできなくなりました。
 
それは妻が、楽しみを失ったことの意味。
 
聞きたい事、話したい事が沢山あったのに。
 
 
 
そして、更に寂しい問題がありました。
 
僕がすっかり食べなくなった事です。
 
僕の体を気遣い、献立に苦労した妻。
 
その手料理を、食べられなかったのです。
 
 
 
先日の結婚記念日に、妻が言いました。
 
「食事の件が一番つらかった」と。
 
何か食べさせようと苦労する。
 
それが「いらない」の一言で終わってしまう。
 
ある意味、とても残酷な光景です。
 
妻にとり、食事は単なる習慣ではない。
 
夫婦における、重要なイベントだったのです。
 
 
 
僕は自分の症状とその悪化を理解しなかった。
 
妻も僕の動揺を恐れて、何も言えなかった。
 
症状がはっきりと見えた、理解できた頃、
 
失われた二人の時間は、すでに膨大でした。
 
 
 
病気と向き合うことは、確かに「苦労」です。
 
しかし、向き合わないと「不幸」が続きます。
 
たった一度限りの人生。
 
奇跡のように巡りあった家族。
 
共有する時間を、無駄に失う訳にはいきません。
 
 
家族との生活、大切ですものね。
 
 
(次回に続く)
 
 
 
 
 http://40neko.com/wave/archive_17.htm
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