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食欲低下
うつ病体験記 (7) 「食欲」  

(前回の続き)
 
鮎の塩焼きと卵焼きがあったら、

太宰治は迷わず卵焼きを選んだそうです。

理由はとても簡単。

食べるのに、面倒が無いからです。

 
 
 
食欲低下にも色々とあるようです。
 
僕の場合は、次のとおりでした。

1 気持ちが受付けない。
 
2 食べることが面倒、興味が無い。


具体的には、次のような感じです。
 
魚は骨があって面倒になる。
 
肉や乳製品は、臭いがダメ。
 
油を使った料理、脂の強いモノも駄目。
 
青臭さが少しでも残る野菜は気が向かない。
 
ご飯も、噛んでいるうちに飽きてくる。


 
つまり、食べる量が減っただけではなく、

食べられる料理、食材も減ってしまったのです。



妻も相当に苦労したようです。

何を、どうすれば食べる気になるのか・・・・・

食材を変え、味付けを変え、盛り付けを変える。

栄養価だって無視する訳にはいかない。

どうすればいいの?

そして、次のように発想したそうです。

(亡くなる直前の猫の食事が参考?)



食欲低下と言っても、全く食べない訳ではない。
 
(そのような状態なら、すでに入院している。)

 
まずは、食べられたモノだけでも続ける。

(とりあえず、栄養バランスは後回し。)

 

「三度の食事」を意識させない。
 
(思い込むと、重圧になる。)

(食べる時間はいつだっていい。)

(少量づつ、噛ませる、飲み込ませる。)

(一日、何回だっていい。)

 
食べそうだったら、すぐに少量出す。
 
(気分、体調にも波がある。)

(絶対に、空腹になる時がある。)

(おやつ感覚でもいい。)

 

段階的に味付けを変え、食材を加える。
 
(飽きさせないため。)

(食べられるものを、増やすため。)

(ダマシでもいい、結果が勝負!)



オカラ、豆腐、戻しワカメ。

これが最初に可能なメニューでした。

これを毎日、少量づつ用意してくれました。


 
みすぼらしいですか?

しかし、これは意外に正解でした。


特にオカラの煮物は、勝手がよかった。

好物でもあったし、昔、よく食べてましたし。


最初はオカラだけで煮る。

そのうち、ヒジキを混ぜてみる。

次に細かく刻んだニンジンを加える。

最後は、マグロを細かく刻んで混ぜる。



豆腐も最初は、昆布ツユでそのまま食べる。

やがて、豆腐主体の煮物にする。

濃いめの味付けに慣れたら、ひき肉を混ぜる。

(臭いに慣れるため。食べなくてもよい。)

煮汁にご飯を入れ、ふやかして食べる。

煮物に慣れたら、筑前煮のようなものも作る。

 

少しづつ、普通の食習慣に戻っていきました。

症状の変動で、多少の後戻りもありましたが、

今では食事を楽しめるようになっています。

ただ、僕一人ではどうだったか・・・・・

多分、無理だったでしょう。

 


食べられたことは小さな自信になります。
 
もし、あなたが病気の人の傍らにいたら、
 
その人が食べられたことを一緒に喜んでください。
 
きっと、その人の自信になると思うのです。


今、鮎の塩焼きと卵焼きがあったら・・・・・
 
当然、僕は両方とも頂きます。

 

(次回に続く)
 http://40neko.com/wave/archive_18.htm
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