「しまねこ家会話集」から、妻の感情表現 ヤァ〜ダ〜 特にイヤな訳ではない。むしろ、イイ。 ヤダ! 強い拒絶 ※ 聞き取りを間違うと、大変なことになる。
すぐ近くに、義理の姉(妻の姉)が住んでいる。 義理姉の家は、田園に近い住宅地の一角。 静かで、のどかな風景のすぐそばにある。 その昔、義理姉が出勤しようと玄関を出たとき、 家の前にいたのは・・・・・ 可愛らしい目をして、 首に鈴を付け、 尻尾をフリフリさせて、 白と黒のブチ模様で、 鼻ピアス?をした・・・・・
牛。 近所の牧場から抜け出した 野良牛。 遅刻した義理姉、会社で説明に困ったらしい。 一部、納得した人もいたそうだが。 強力なキャラの妻でも、野良牛は持て余すだろう。 だけど、野良猫ならばウエルカムだ。 実はウチの夫婦、また猫と暮らしたくなっている。 ただし条件がある。 妻が「ピン」ときた、または運命を感じた猫限定。 「プチ霊能者」 の心に響いた猫ということらしい。 可能なら、前の猫の生まれ変わりがいいと言う。 妻いわく、まだ成仏はしていないらしいのだが、 この辺の感覚がプチ霊能者の本領なのだろうか。 僕はすっかり慣れてしまったけど。 だが結局は、捨て猫かもらい猫を飼うだろう。 人の都合で捨てられたり、手放される猫がいる。 沢山は飼えないが、1匹でも助けられるなら・・・ 多少は善人ぶった、そんな思いもある。 野良牛はご免だが、野良猫ならウエルカムだ。 (残念ながら、高い猫を買う余裕もそんなにない。) でも、ペットショップに興味がない訳ではない。 通りすがりに、目の保養をしたいこともある。 犬と比べると猫の展示数は少ないものの、 時々、面白い子猫を見かけることだってある。 先日、札幌郊外のペットショップに行ってみた。 しかし、広い店内には猫は一匹だけ。 それも、ちょっと妙なロシアンブルーだった。 ロシアンブルーにあまりいない日本人顔。 それどころか、誰か有名な人にそっくり。 全体には愛らしいのだが、妙な違和感の猫。 血統書もまだ無く、多分売れ残りそうな感じ。 ちょっと妻に訊ねてみた。 「この子、誰かに似てるよね」 「ウ〜ン、思い出せない、ここまで来てるけど」 「とても日本人くさい気がするんだけど」 (誰だろう、最近みかけたんだけど・・・・・) 僕には、ちょっと思い出せなかった。 「あ〜、アハハハハハ!」 突然、妻が笑いだした。 「ヤァ〜ダ〜、分かっちゃった!」 「誰?」 さすがに、店員さんが気にし始めた。 「出よう、ここじゃ言えない・・・」 耳打ちされて、外に出た。 車の側で、妻が言った。 「あの子ね、中村七之助にそっくりなのよ」 「あっ! そう言えば!!」 ご存知ない方、こんな顔立ちの役者さんです。 「僕ね、あの子は売れ残っちゃう気がする」 「そうかもね」 「少しでも、ピンと来た?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全然」 (そうなのか・・・) 「でも、安くなったら買う?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ヤダ! 」 えっ? そんなに強く言わなくたって。 「そうなのかぁ」 「だって女の子だったのよ、 名前が七之助じゃ可愛そうよ!」 エッ? それでも名前まで考えてたの? でも「七之助」じゃなくてもいいのに。
「縁が無かったのよ、きっと 誰か縁のある人のウチの子になるわ、きっと」
あ、まぁ仕方ないか。 本音を言えば、やはり高い猫は買えないもんね。 「縁」どころか、「円」が足りない。 ロシアンブルーは人気モノだしね。 実は霊感のない僕だが、ちょっと運命を感じていた。 ひょっとしたら、妻もそうだったのかも知れない。 結局、願うしかなかった。 前の飼い猫、値段の安い子に生まれ変わってね。 それと「七之助」ちゃんへ。 可愛がってくれる人に、行き会えますように。 ちょっと、寂しい気分の日だった。 |