「しまねこ家」に関わる人達 女王様は、知らなかった・・・・・
16年前のこと。 街中で、「女王様」と行き会った。 正確には女王様気質の、とあるキャリアな女性。 けして悪い人ではなく、アネゴ肌で情も厚い。 ただ、人は自分の思い通りになると思っている。 僕とはお互いに、激しく気が合わなかった。 彼女は、連れていた若い女の子を指して言った。 「これ、私の妹なの。初めて見るでしょう。でもね、 あなたにだけは絶対に紹介しない」 「僕だってけっこうです」 ちょっと普通じゃないよなぁ、こんな会話。 まるっきり子供のケンカだもの。 でもこの時、僕も女王様も知らなかったんだ。 あとで衝撃の事件が起きることを。 この4年後、連れられていた若い女性が、 僕と結婚するとは。 つまり「女王様」は僕の義理姉。 僕より2つ年上で、妻とは6歳違いだ。 しかし女王様を相手に、この年回りは危険だ。 大人になっても、妹は自分の支配下だった。 義弟、つまり僕だってそうなったかも知れない。 僕たちの結婚後、2週間経った日曜日だった。 妻が台所で料理中、電話が鳴って僕が出た。 「もしもし、『ウチの@@@ちゃん』 お願い!」 「女王様」からの電話だった。 相変わらず唐突で、高飛車な感じだった。 僕はちょっと、意地悪をしたくなった。 「あ〜、いませんよ」 「あらそうなの、出かけたの」 「誰のことですか、『ウチの@@@ちゃん』って @@@は2週間前に僕と結婚しました。 いいですか、 『ウチの@@@ちゃん』は居ません。 『僕の@@@ちゃん』なら居ます!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ブツブツブツ)」 「『僕の@@@ちゃん』と代わります?」 「・・・・・・お願いします」 全くつまらない、子供じみた会話だった。 僕も大人らしくはなかったと、ちょっと反省した。 しかし、絶大な効果があった。 義理姉、よほど悔しかったらしい。 妻の父、母、兄、その他友人にこの話をした。 「ちょっと、@@@のダンナはね・・・・!」 しかし、一様にみんなが言った。 「でも、そうじゃないの?」 妻の父なんぞ、バカ笑いしておしまい。 それからの女王様、僕には大人しくなった。 義理姉、今でも酔うと親族みんなに言う。 「あの時ったらねぇ・・・(ブツブツブツ・・・・)」 ご免なさいねぇ、でもケジメでしたから。 今じゃ、とても仲のいい「義姉弟」なんだし。 妻が僕にも強くなったのは、誤算だったけど。 |