「しまねこ家」地図帳
支笏湖 (しこつこ)
札幌から1時間ちょっとの観光地 ちょっと神秘的な湖
ウソも大がかりなら、本当に聞こえる。
3年前、職場に若い女の子が配置になった。 北海道出身だが、札幌の近くに住むのは初めて。 そしてしばらくの間、僕が教育担当になった。 話してみると、ちょっと天然ボケで面白い。
そこで同僚1名と、歓迎の悪フザケを考えた。
僕、同僚、新人の女の子の3人で昼食をとる。
その最中、同僚が僕に言った。 打ち合わせどおりの神妙な顔つきで。
「今夜どう? アレを見に行かない?」
僕はウンザリとした態度で答える。
「やめろよ、捕まるぞ」
「せっかくの水曜日じゃないか、見に行こうよ」
「だから行かないって、行くなら一人で行けよ」
「頼む、付き合ってくれよ」
「断るね、自分だけで行きな」
僕は冷たく言い放つ。
同僚はフキゲンな顔で席を立ち、いなくなる。
これで準備は完了した。
僕は彼女に謝った。
「ごめんね、昼休みにつまらない言い合いをして」
「いいえ、気にしてませんから・・・・・・・」
「あいつ・・・・今夜、潜水艦を見たいらしいんだ」
「潜水艦? なんの事ですか?」
「ウ〜ン・・・・・・・・・誰にも言わない?」
「はい」
「実はね、支笏湖は自衛隊の秘密基地らしいんだ。
極秘に「潜水艦」を隠してある。
それで水曜日の夜中に乗組員の交替をする。
浮かび上がってくるのがその時なんだ」
「本当ですかぁ?」
「ここら辺じゃぁ、実は知ってる人もいる。
ただ警察が道路を警備してるんだ。
水曜の夜は支笏湖に行かないほうがいい。
挙動不審者は捕まるらしいから 」
「でも、なんで・・・・・・・・・・・」
「アイツの父親はね、自衛隊の幹部だったんだ。
でも年とって、何でもしゃべっちゃうらしい」
「そうなんですかぁ」
「詳しいことは僕も知らないけどね・・・・・・・・」
確か、同僚の親父さんは米屋だったはず。 今でも元気に働いている。
でも、僕と同僚はケンカしたフリを続けた。 そして天然ボケの彼女はウソを信じてしまった。
僕も困った教育係だった。
でもまぁいいだろう。 その彼女とは、けっこう仲良くなった。
今では有能な部下として、元気に働いている。 |